横浜市金沢区の循環器呼吸器病センター、2030年度以降に一部機能をがんセンターへ統合へ

横浜市金沢区にある「神奈川県立循環器呼吸器病センター」について、黒岩祐治神奈川県知事が2026年9月10日の県議会本会議で、2030年度以降の早い時期に一部機能を「神奈川県立がんセンター」(横浜市旭区)へ統合する考えを明らかにしました。
循環器呼吸器病センターは、循環器疾患や呼吸器疾患、結核などの診療を行っている県立病院です。
今回の方針は、県立病院の機能や役割を見直す中で示されたもので、今後、金沢区の医療環境にも関係する動きとなりそうです。
🔽 2030年度以降に一部機能をがんセンターへ統合へ
2026年9月10日の神奈川県議会本会議で、黒岩祐治知事は、横浜市金沢区の神奈川県立循環器呼吸器病センターについて、2030年度以降の早い時期に一部機能を神奈川県立がんセンターへ統合する考えを明らかにしました。
神奈川県立がんセンターは横浜市旭区にあり、がん診療を専門とする県立病院です。
今回の方針では、循環器呼吸器病センターが担っている機能のうち、がんセンターとの連携・統合が可能な分野について、機能を移していくことが想定されています。
なお、現時点で「2030年度に病院そのものが閉院する」と決まったものではありません。
🔽 循環器呼吸器病センターでは専門的な呼吸器医療も
神奈川県が2026年3月にまとめた「県立病院機能のあり方検討会」の資料では、循環器呼吸器病センターの現状についても分析されています。
同センターでは、間質性肺炎などの難治性呼吸器疾患について、全国的にも高い診療実績があります。
資料によると、2023年度の間質性肺炎の患者数は1,060人で、全国の医療機関の中で1位となっています。2位の医療機関と比べても大きな差があり、全国から患者を受け入れていることが特徴として挙げられています。
一方、循環器分野については、他の医療機関でも対応できる疾患が多く、県立病院が担う必要性について見直しが必要との意見が示されています。
🔽 肺がんなどは県立がんセンターとの役割が重複
呼吸器疾患の中でも肺がんについては、神奈川県立がんセンターでも治療が行われており、現在の循環器呼吸器病センターと診療機能が重複しているとされています。
県の検討会では、肺がんはがんセンターで治療が可能であることや、その他の呼吸器疾患については周辺の医療機関でも対応できることから、循環器呼吸器病センターの高度専門病院としての役割を見直す方向性が示されています。
その一方で、間質性肺炎などの難治性呼吸器疾患については、全国トップクラスの診療実績があり、他の医療機関で担うことが難しいため、今後も重要な機能として残す必要があるとされています。
🔽 結核医療についても今後の検討課題に
循環器呼吸器病センターは、結核患者の受け入れも行っています。
神奈川県の資料によると、同センターには60床の結核病床があり、横浜市やその周辺地域の結核患者を受け入れています。
一方で、全国的に結核の新規患者数や罹患率は減少傾向にあり、同センターの結核病床利用率も2023年度は26.8%となっています。
検討会では、結核医療については政策医療として引き続き担う必要がある一方、患者動向を踏まえて病床数の削減を検討してもよいのではないかとの意見も示されています。
🔽 循環器呼吸器病センターは今後どうなる?
県の検討会では、循環器呼吸器病センターについて、間質性肺炎などの難治性呼吸器疾患や結核など、県立病院として必要な機能を残しながら、他の病院との再編・統合・連携を含めて検討する方向性が示されています。
また、施設の老朽化も課題となっており、今後も単独の病院として維持していくことは非常に困難との意見も出ています。
今回、黒岩知事が示した「2030年度以降の早い時期に一部機能をがんセンターへ統合する」という方針は、こうした県立病院の機能見直しの流れを受けたものとみられます。
今後、具体的にどの診療機能を移すのか、現在の循環器呼吸器病センターでどのような診療が継続されるのかなど、詳細については今後の県の検討が注目されます。
金沢区にある県立病院の今後のあり方に関わる大きな動きとなるため、今後も県から具体的な方針が発表された際には、改めてお伝えします。




























ぱど
