フリーマーケットは公務員や会社員の副業にあたる?不用品販売と「商売」の境界を解説
「フリーマーケットに出店してみたいけれど、会社員の場合は副業になるの?」
「公務員は副業禁止と聞くけれど、自宅の不用品を売るのもダメ?」
そんな疑問を持つ人は意外と多いのではないでしょうか。
休日にフリーマーケットへ出店して、着なくなった洋服や使わなくなった食器、おもちゃ、家電などを販売する。
数千円、場合によっては1万円、2万円と売上が出れば、
「これって副業なのでは?」
と少し心配になるかもしれません。
結論からいうと、自宅で使っていた不用品を、ときどきフリーマーケットで販売する程度なら、一般的には「副業として事業をしている」とは考えにくいケースが多いでしょう。
ただし、
「中古品を仕入れてフリーマーケットで販売する」
「毎週のように出店して利益を出している」
「ハンドメイド商品を継続的に製作して販売している」
となると話が変わってきます。
特に公務員の場合は、会社員より兼業に関するルールが厳しく定められているため注意が必要です。
この記事では、フリーマーケットへの出店が公務員や会社員の副業にあたるのか、不用品販売と商売の違い、税金や確定申告まで詳しく紹介します。
※この記事は2026年8月時点の制度をもとにした一般的な解説です。勤務先や自治体によってルールが異なるため、判断に迷った場合は勤務先の人事・服務担当部署、税務署などに確認してください。
まず結論!不用品を売るだけなら副業にならない可能性が高い
フリーマーケットといっても、出店の目的によって意味が大きく違います。
たとえば、
「子どもが大きくなって着られなくなった服を売る」
「引っ越し前に不要な家具や雑貨を売る」
「昔集めていた本やCDを整理する」
といったケースです。
これは、新しく商品を仕入れて利益を得ようとしているわけではなく、もともと自分が生活のために所有していた物を処分しているだけです。
そのため、一般的な感覚としても「仕事をして収入を得る副業」とは性質が異なります。
一方、同じフリーマーケットでも、
| 販売方法 | 副業・事業性 |
|---|---|
| 自宅の不用品を年に数回売る | 低い |
| 引っ越しなどで大量の私物を一度に売る | 低い |
| 趣味で作った作品をたまに売る | ケースによる |
| ハンドメイド品を継続的に製作・販売する | 高くなる |
| 中古品を安く仕入れて高く売る | 高い |
| 毎週・毎月出店して利益を得る | 高い |
| ネット販売とフリマ出店を組み合わせて継続販売する | 高い |
という違いがあります。
つまり、「フリーマーケットに出店したか」だけで判断するのではなく、何を、どのような目的で、どの程度継続して売っているのかが重要です。
公務員がフリーマーケットに出店すると副業になる?
公務員の場合、まず知っておきたいのが「公務員だから物を売ってはいけない」というルールではないことです。
国家公務員について、人事院の兼業に関する資料では、規制対象となる「自営」と、通常は自営として扱われない小規模・一時的な行為が区別されています。
その中では、「フリーマーケットアプリによる一時的な物品の販売」が、自営に該当しない例として示されています。
これはフリマアプリについての例ですが、リアルなフリーマーケットでも、
「自宅にある不要品を整理するため、休日に1回出店した」
といった程度であれば、営利事業を始めたというより、私物の処分という性格が強いでしょう。
ただし、回数が増えたり、仕入れを行ったりすれば状況は変わります。
国家公務員の副業ルールは2026年4月から変わった
ここは、古いインターネット記事と現在の制度で違いが出やすいポイントです。
国家公務員については、2026年4月1日から自営兼業制度が見直されています。
従来よりも認められる範囲が広がり、一定の条件を満たした場合、
「職員の知識・技能をいかした事業」
「社会貢献に資する事業」
について、自営兼業が承認される仕組みが設けられました。
人事院が示している具体例の一つが、なんと「ハンドメイド品の販売」です。
つまり、たとえば趣味でアクセサリーや木工品、雑貨などを作っている国家公務員が、
「フリーマーケットで継続的に作品を販売してみたい」
という場合、以前よりも兼業として認められる可能性が広がっています。
ただし、何でも自由になったわけではありません。
新制度では、開業届を提出して行う事業であること、事業計画書などを作成すること、本来の職務との間に特別な利害関係がないこと、公務に支障を生じさせないこと、公務の公正性や信頼性を損なわないことなどが承認基準となっています。
したがって、
「公務員も2026年から自由にフリマ副業ができるようになった」
と理解するのは正確ではありません。
一時的な不用品販売ならそもそも自営に当たらない可能性が高く、本格的に商売として行うなら承認が必要になる可能性がある、という整理が分かりやすいでしょう。
「仕入れて転売」は公務員の場合かなり注意が必要
ここで大きな境界線になるのが「仕入れ」です。
自宅にあった服を500円で売るのと、古着店で500円で買った服を1,500円で売るのでは意味が違います。
後者は最初から、
「売って利益を出す」
という目的で商品を購入しています。
さらに、
仕入れる
→販売する
→利益を得る
→その利益でまた仕入れる
というサイクルを繰り返すようになれば、明らかに商売としての性格が強くなります。
国家公務員法では、職員が自ら営利企業を営むことについて規制があり、人事院の承認制度があります。現在の人事院規則でも「自ら営利企業を営むこと」は、自己名義などで商業等を経営する場合として扱われています。
2026年から自営兼業制度は拡大されましたが、単純な「中古品を仕入れて利益目的で転売する事業」が、新設された「知識・技能をいかした事業」や「社会貢献に資する事業」として当然に認められるわけではありません。
公務員が転売目的でフリーマーケットを利用する場合は、自己判断せず所属先に確認するのが安全です。
地方公務員の場合はどうなる?
市役所、県庁などに勤務する地方公務員の場合も、基本的な考え方は似ています。
地方公務員法第38条では、任命権者の許可を受けずに、自ら営利企業を営んだり、報酬を得て事業や事務に従事したりすることを原則として制限しています。
ただし、実際の兼業許可基準は自治体ごとの人事委員会規則や規程などによって定められています。
ここで注意したいのは、2026年4月に行われた国家公務員の制度変更が、そのまますべての地方公務員に適用されるわけではないことです。
地方自治体によって兼業制度の運用は異なるため、
「国家公務員はハンドメイド販売が認められるようになったから、自分も大丈夫」
とは判断できません。
とはいえ、自宅にある洋服や雑貨を年に一度フリーマーケットへ持っていくような行為と、店舗のように継続して商品を販売する行為は性質が違います。
迷うほど頻繁に販売するようになったら、所属する自治体の服務規程を確認しておきましょう。
会社員がフリーマーケットに出店する場合は?
会社員の場合は、公務員とはルールが異なります。
法律で一律に、
「会社員は副業禁止」
と決められているわけではありません。
厚生労働省のモデル就業規則では、勤務時間外に他の会社等の業務に従事できることを基本としつつ、会社が禁止・制限できるケースとして、労務提供に支障がある場合、企業秘密が漏えいする場合、会社の名誉・信用を損なう場合、競業によって会社の利益を害する場合などを挙げています。
そのため会社員の場合、
「休日に一度だけ自宅の不用品をフリーマーケットで売った」
程度なら、通常は副業として大きな問題になる可能性は低いでしょう。
ただし、
毎週出店している
中古品を仕入れている
かなりの利益が出ている
ネットショップも運営している
といった状況なら、勤務先から「事業としての副業」と判断される可能性があります。
会社によっては副業を届出制や許可制としているため、まず勤務先の就業規則を確認してみましょう。
「副業禁止の会社」なら不用品も売れない?
ここは過度に心配しなくてもよい部分です。
一般家庭で使っていた物を処分することまで会社が通常の副業と同じように扱うとは考えにくいでしょう。
たとえば、
「古くなったテレビをリサイクルショップへ売った」
「中古車を買い取り業者に売った」
「読み終わった本を古本屋に売った」
というだけで副業になると考える人はほとんどいません。
フリーマーケットも基本的には同じで、販売場所がフリーマーケットだから突然「仕事」になるわけではありません。
問題になるのは、不用品処分から継続的な利益目的の商売へ変わったときです。
フリーマーケットの売上には税金がかかる?
「副業になるか」と一緒に気になるのが税金です。
ここでも大切なのは、何を売ったのかです。
国税庁によると、家具、衣服などの「生活に通常必要な動産」を売却して得た所得は原則として非課税です。
つまり、
着なくなった洋服
使わなくなった家具
家庭用品
日用品
などをフリーマーケットで売った場合、基本的には所得税を心配する必要はありません。
これは「年間20万円以下だから非課税」という意味ではありません。
生活用動産の売却そのものが非課税という点が重要です。
ただし、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董品などは例外となる場合があります。
仕入れて転売した利益には税金がかかる可能性がある
一方、利益を出すために商品を仕入れて販売している場合は別です。
国税庁は、フリマアプリ、ネットオークション、ネット通販、転売などによる収入について、生活用動産の売却を除き、原則として事業所得または雑所得として確定申告の対象になり得ると案内しています。
リアルなフリーマーケットであっても考え方は同様です。
たとえば、
10万円で商品を仕入れ
15万円で販売し
出店料や交通費など必要経費が2万円
だった場合、単純化すると、
15万円-10万円-2万円=3万円
が利益になります。
税金で重要なのは、単純な「売上」ではなく、原則として所得=売上から必要経費などを差し引いた金額です。
「フリマの売上が20万円を超えたら必ず確定申告」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。
会社員は「20万円」を超えるかも確認しよう
年末調整を受けている一般的な給与所得者の場合、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。
ここでも「売上20万円」ではなく、原則として所得20万円であることがポイントです。
ただし、この20万円ルールは、
「20万円までなら絶対に税金について何もしなくてよい」
という制度ではありません。
所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。
横浜市も2026年4月更新の案内で、給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、市民税・県民税の申告が必要になるケースを案内しています。
横浜市内で副業としてフリーマーケット販売を行う人は覚えておきたいポイントです。
中古品を仕入れて売るなら「古物商許可」にも注意
もう一つ、税金や副業とは別に知っておきたいのが古物営業法です。
自分が使っていた物を売るだけなら話は比較的シンプルですが、中古品を仕入れて継続的に転売する場合は、古物商許可が関係してくる可能性があります。
神奈川県警察では、一度使用された物品などを「古物」とし、古物を売買・交換する営業を始める場合には公安委員会の許可が必要になると案内しています。
警察庁も、リサイクルショップ、バザー、フリーマーケット、フリマサイトなどで行われる取引が古物営業に該当するかについては、取引の実態や営利性などから個別に判断するとしています。
そのため、
「フリーマーケットで買った商品を別のフリーマーケットで高く売る」
「リサイクルショップで仕入れて販売する」
といったことを継続的な商売として行うなら、単なる副業ルールだけではなく古物商許可についても確認する必要があります。
公務員・会社員が安心してフリーマーケットを楽しむポイント
難しく感じるかもしれませんが、普通にフリーマーケットを楽しむだけなら、そこまで身構える必要はありません。
判断するときは、「何円売れたか」だけではなく、
自分の物を処分しているのか、それとも利益を得るための商品を販売しているのか
を考えてみると分かりやすくなります。
クローゼット整理のため洋服を売る。
子どもが遊ばなくなったおもちゃを売る。
読み終わった本を売る。
使わなくなったアウトドア用品を売る。
こうしたフリーマーケット本来の楽しみ方であれば、「副業を始めた」と過度に心配する必要はないでしょう。
反対に、
「次回売るための商品を仕入れよう」
と思い始めたら、一つの境目と考えることができます。
よくある質問
Q.公務員がフリーマーケットで1万円売ったら副業になりますか?
金額だけで副業かどうかが決まるわけではありません。
自宅にあった生活用品を一時的に売ったのであれば、営利事業としての性格は低いでしょう。国家公務員については、人事院資料でも「フリーマーケットアプリによる一時的な物品の販売」が自営に該当しない例として示されています。
ただし、地方公務員を含め所属先独自のルールがある場合があるため、継続的に出店するなら確認しておくと安心です。
Q.毎月フリーマーケットへ出店したら副業ですか?
回数だけで決まるわけではありませんが、定期的・継続的になるほど事業性は高くなります。
特に販売するための商品を仕入れている場合は、副業・事業と判断される可能性が大きくなります。
Q.会社員ですが、不用品を売ったことを会社へ届け出る必要がありますか?
単なる私物処分であれば通常の副業とは性質が異なります。ただし、勤務先によって規程は違うため、継続的な販売を始める場合は就業規則を確認してください。
Q.ハンドメイド作品をフリーマーケットで売るのは副業ですか?
継続して製作・販売し利益を得るのであれば、副業・事業としての性格が強くなります。
なお、国家公務員については2026年4月から制度が変更され、一定の条件を満たした「知識・技能をいかした事業」として、ハンドメイド品の販売も自営兼業の承認対象になり得ることが明示されています。
Q.フリーマーケットで20万円以上売れたら確定申告が必要ですか?
必ずしもそうではありません。
自宅で使っていた衣服や家具など、生活に通常必要な物を売却した所得は原則非課税です。逆に仕入れた商品を転売している場合には課税対象となる可能性があります。
また会社員の「20万円基準」は基本的に売上額ではなく所得金額についての基準です。
フリーマーケットは「不用品整理」なら気軽に楽しめる
フリーマーケットに出店してお金を受け取ったからといって、それだけで公務員や会社員の「副業」になるわけではありません。
大きなポイントは、
「家にある不要品を売っているのか」
それとも
「利益を得るために商品を販売しているのか」
という違いです。
押し入れに眠っていた食器。
サイズが合わなくなった洋服。
子どもが遊ばなくなったおもちゃ。
もう読まなくなった本。
こうした物をフリーマーケットへ持って行き、必要としている誰かに使ってもらう。
これはフリーマーケットの昔から変わらない楽しみ方の一つです。
売上だけを目的にするのではなく、
「家の中が片付いた」
「捨てるはずだった物を誰かに使ってもらえた」
「お客さんとの会話が楽しかった」
という体験も含めて楽しめるのが、リアルなフリーマーケットの魅力です。
一方で、販売が楽しくなり、仕入れを始めたり、毎月継続して利益を出したりするようになれば、それは趣味から「副業・商売」へ変わるタイミングかもしれません。
そのときは勤務先の副業・兼業ルール、税金、必要に応じて古物商許可まで確認して、安心してフリーマーケットを続けていきましょう。

