フリーマーケットの売上は確定申告が必要?税金・20万円ルールをわかりやすく解説
「フリーマーケットで思った以上に売れたけれど、これって確定申告しないといけないの?」
フリーマーケットを楽しんでいると、こんな疑問を持つことがあります。
家の中にあった洋服やおもちゃ、家具などを整理するために出品しただけでも、1日で数万円の売上になることがあります。年間を通して何度もフリーマーケットへ出店すれば、売上が10万円、20万円、場合によってはそれ以上になることも珍しくありません。
しかし、フリーマーケットで売上があったからといって、必ず確定申告が必要になるわけではありません。
重要なのは、
「いくら売ったのか」だけではなく、「何を、どのような目的で売ったのか」「利益はいくら出たのか」
という点です。
国税庁も、フリマアプリやネットオークション、転売などによる収入について、原則として事業所得または雑所得になる場合がある一方、生活に通常必要な動産の売却による所得については非課税としています。
この記事では、フリーマーケットの売上と税金・確定申告の関係について、できるだけわかりやすく解説します。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとにした一般的な解説です。実際の申告の必要性は所得や勤務状況などによって異なるため、個別の判断については税務署や税理士などへご確認ください。
結論:家にあった不用品を売るだけなら、基本的に確定申告は不要
まず、もっとも一般的なケースから見てみましょう。
たとえば、
- 着なくなった洋服
- 子どもが使わなくなったおもちゃ
- 読み終えた本
- 使わなくなった家具
- 食器
- 家電製品
- 日用品
など、自分や家族が生活の中で使用していたものをフリーマーケットで売る場合です。
こうしたものは税法上、原則として「生活に通常必要な動産」にあたります。
国税庁は、家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服など、生活に通常必要な動産を売却して得た所得については所得税が課税されないと説明しています。
つまり、
「家の片付けで出てきた不用品をフリーマーケットで売った」
という一般的なケースであれば、売上があったとしても、通常はその売却益について確定申告する必要はありません。
「売上20万円を超えたら申告」は間違い?
フリーマーケットの税金について調べると、
「年間20万円を超えたら確定申告が必要」
という説明を目にすることがあります。
しかし、この表現だけでは正確ではありません。
特に注意したいのが、20万円という基準は「売上」ではなく「所得」についての基準だということです。
さらに、そもそも生活に通常必要な不用品の売却による所得は非課税なので、単純にフリーマーケットの年間売上が20万円を超えたからといって、確定申告が必要になるわけではありません。
たとえば、自宅にあった洋服や家具などを1年間で合計30万円売ったとしても、それが通常の生活用品の処分であれば、
「売上30万円だから確定申告が必要」
とはなりません。
ここはフリーマーケット初心者が特に誤解しやすいポイントです。
確定申告が必要になる可能性があるのはどんな場合?
一方で、フリーマーケットでの販売でも税金が関係してくる場合があります。
代表的なのが、利益を得ることを目的として継続的に商品を販売しているケースです。
国税庁の所得税基本通達でも、営利を目的として継続的に行う資産の譲渡による所得については、事業所得と認められる場合を除き、業務に係る雑所得に該当するとしています。
具体的には、次のようなケースです。
商品を仕入れてフリーマーケットで転売している
たとえば、
「リサイクルショップで500円で購入した商品を、フリーマーケットで1,500円で売る」
というように、最初から販売することを目的として商品を仕入れている場合です。
これは単なる家庭の不用品整理ではなく、利益を得るための販売活動になります。
そのため、利益の規模や販売状況などによって、雑所得または事業所得として申告が必要になる可能性があります。
フリーマーケット用の商品を継続的に仕入れている
毎月フリーマーケットに出店し、
「安く仕入れて高く売る」
という活動を継続している場合も注意が必要です。
たとえば、
仕入れ
↓
フリーマーケットで販売
↓
売上金でさらに仕入れ
↓
また販売
というサイクルを繰り返しているのであれば、単なる不用品処分ではなく、営利目的の販売と判断される可能性が高くなります。
ハンドメイド商品を作って販売している
自宅で使っていたものを処分するのではなく、
- アクセサリー
- バッグ
- 雑貨
- イラスト
- 手作りのおもちゃ
などを制作して販売している場合も、基本的には「不用品の売却」とは別に考える必要があります。
材料を購入して商品を作り、それを販売して利益を得ているのであれば、その利益が雑所得や事業所得となる可能性があります。
「売上」と「利益」は違う!確定申告では所得を確認しよう
税金を考えるうえで、非常に重要なのが、
売上=所得ではない
という点です。
営利目的で商品を販売している場合、一般的には、
所得 = 売上 − 必要経費
として考えます。
国税庁も、事業所得や雑所得では、売上原価や収入を得るために直接必要となった費用、販売費などを必要経費として計算するとしています。
たとえば、
- 年間売上:50万円
- 商品仕入れ:20万円
- 出店料:5万円
- その他販売に必要な費用:5万円
だった場合、
50万円 − 20万円 − 5万円 − 5万円
= 所得20万円
となります。
「年間50万円売った」という事実だけで申告の必要性を判断するわけではありません。
フリーマーケットではどんなものが経費になる?
営利目的でフリーマーケット販売を行っている場合、販売のために直接必要となった費用については必要経費になる可能性があります。
たとえば、
- 商品の仕入代金
- フリーマーケットの出店料
- 商品を運ぶための送料
- 販売のために購入した梱包資材
- 販売用の値札や袋
- 販売活動に必要となった備品
- オンラインでも販売している場合の販売手数料
などです。
ただし、何でも経費になるわけではありません。
個人的な買い物などの家事上の費用は必要経費にならず、仕事とプライベートの両方で使用している費用については、業務に必要な部分を明確に区分する必要があります。
会社員なら「所得20万円」がひとつの目安
会社員の副業として、営利目的でフリーマーケット販売をしている人の場合によく出てくるのが、
「20万円ルール」
です。
国税庁によれば、一般的な給与所得者で年末調整が済んでいる場合、給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。
たとえば、
ケース1
フリーマーケットの売上:40万円
必要経費:25万円
なら、
40万円 − 25万円
= 所得15万円
となります。
フリーマーケット以外に副業所得がなく、20万円ルールの適用条件を満たす給与所得者なら、所得税の確定申告が不要となる可能性があります。
ケース2
フリーマーケットの売上:70万円
必要経費:30万円
なら、
70万円 − 30万円
= 所得40万円
です。
この場合は20万円を超えているため、一般的な会社員であれば確定申告が必要になる可能性が高くなります。
「20万円」はフリーマーケットだけで判断しない
もうひとつ重要なポイントがあります。
20万円という基準は、
フリーマーケットだけの所得ではなく、給与所得や退職所得以外の所得の合計
で判断します。
たとえば、
- フリーマーケット:10万円
- アフィリエイト:8万円
- 原稿料:5万円
の所得があった場合、
10万円+8万円+5万円
= 23万円
となります。
フリーマーケットだけなら10万円でも、その他の副収入と合わせると20万円を超えるため、確定申告が必要になる場合があります。
20万円以下でも住民税の申告が必要になることがある
ここは非常に重要です。
「副業所得が20万円以下なら何もしなくてもいい」
と思っている人も多いのですが、所得税の確定申告と住民税の申告は別の制度です。
たとえば横浜市では、給与所得以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、市民税・県民税の申告が必要となるケースを案内しています。
つまり、
「所得税の確定申告が不要=住民税についても何もしなくてよい」
とは限りません。
フリーマーケット販売を副業として行っている人は、自分が住んでいる市区町村のルールも確認しておきましょう。
なお、所得税の確定申告を行った場合は、その情報が地方自治体へ送られるため、通常は改めて住民税の申告をする必要はありません。横浜市もこの扱いを案内しています。
不用品なら何でも非課税とは限らない?30万円を超える貴金属などに注意
「自分が持っていた物なら何を売っても非課税」
というわけではありません。
国税庁では、家具や衣服など生活に通常必要な動産の売却益は原則非課税とする一方、
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨とうなど
については非課税となる生活用動産から除外しています。
たとえば、
- 高額な宝石
- 高級貴金属
- 美術品
- 書画
- 骨董品
などを高額で売却した場合は、通常の洋服や家具を売った場合とは扱いが異なる可能性があります。
こうした資産を売却して利益が発生した場合には、譲渡所得として扱われるケースがあります。
高額品の「譲渡所得」には50万円の特別控除がある
土地・建物や株式以外の資産を売却した場合の総合課税の譲渡所得については、
譲渡価額 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除
という形で計算します。
特別控除額は、短期・長期の譲渡所得を合わせて年間最高50万円です。
また、所有期間が5年を超える資産については長期譲渡所得となり、その所得金額の2分の1が総合課税の対象となる仕組みがあります。
ただし、転売目的で継続的に商品を販売している場合とは所得の種類や計算方法が異なるため、高額商品を扱う場合は税務署や税理士へ確認したほうが安心です。
フリーマーケットの確定申告をケース別に考えてみよう
ここまでの内容を、実際のフリーマーケットに近いケースで整理してみます。
ケース1:子ども服やおもちゃを売って年間10万円になった
家で使用していた子ども服やおもちゃを整理するために販売。
→ 原則として確定申告不要
生活に通常必要な動産の処分に該当すると考えられるためです。
ケース2:家の家具・家電を売ったら年間30万円になった
引っ越しをきっかけに家具や家電をフリーマーケットで処分。
→ 金額だけで確定申告が必要になるわけではありません。
通常の生活用品の売却であれば、原則として非課税です。
「20万円を超えたから確定申告」という判断をしないことがポイントです。
ケース3:中古品を仕入れて年間80万円販売した
リサイクルショップなどで商品を仕入れ、フリーマーケットで転売。
売上80万円
仕入れ・経費50万円
だった場合、
所得は30万円です。
→ 会社員の副業などであれば、確定申告が必要になる可能性があります。
ケース4:転売による利益が年間15万円だった
売上50万円
必要経費35万円
所得15万円
という場合。
年末調整済みの会社員で、他の副業所得がなく、20万円ルールの条件を満たしていれば、所得税の確定申告が不要となる可能性があります。
ただし、住民税の申告については別途確認が必要です。
ケース5:高額な宝石を売却した
自宅に保管していた高額な宝石をフリーマーケットや骨董市などで販売した場合。
→ 通常の生活用品とは異なる扱いになる可能性があります。
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や宝石などについては、譲渡所得について確認する必要があります。
医療費控除などで確定申告するなら「20万円以下」も申告する
もうひとつ見落としやすいポイントがあります。
給与所得者の副業所得が20万円以下で確定申告不要となる制度は、
「20万円以下の所得は税金がかからない」という制度ではありません。
あくまで一定条件を満たす給与所得者について、確定申告をしなくてもよいという特例です。
そのため、
「医療費控除を受けたい」
「住宅ローン控除などの関係で確定申告する」
といった理由で確定申告を行う場合には、20万円以下の副業所得についても合わせて申告する必要があります。
国税庁も、この点を明確に案内しています。
ここはかなり間違えやすいため注意しましょう。
主婦・学生・無職なら「20万円まで大丈夫」とは限らない
20万円ルールは、誰にでも適用される基準ではありません。
基本的には、
年末調整を受けている一定の給与所得者についての確定申告不要制度
だからです。
そのため、
- 専業主婦・主夫
- 学生
- フリーランス
- 個人事業主
- 給与収入のない人
などについて、
「フリーマーケットの利益が20万円以下だから確定申告は絶対不要」
とは判断できません。
それぞれの所得状況や所得控除などによって申告の必要性が変わるため、国税庁の確定申告書等作成コーナーや税務署などで確認しましょう。
フリーマーケットを副業にするなら記録を残しておこう
不用品を年に1~2回販売する程度であれば、それほど細かく管理していない人も多いでしょう。
一方、
「これからフリーマーケットで継続的に販売して稼ぎたい」
という場合には、最初から記録を残す習慣をつけておくことをおすすめします。
最低限、
- 出店した日
- 売上金額
- 商品の仕入金額
- 出店料
- 販売に使った経費
- 商品を仕入れた日
- 領収書・レシート
- 販売した商品の内容
などを記録しておくとよいでしょう。
事業所得を得る人については、所得税の申告が不要な場合を含めて記帳・帳簿保存制度の対象となります。また、業務に係る雑所得についても、前々年のその業務に係る収入金額が300万円を超える場合には、一定の書類を5年間保存する必要があります。
小規模な段階からExcelやスプレッドシートなどで売上と経費を管理しておけば、後から慌てずに済みます。
フリマアプリと実際のフリーマーケットで税金は違う?
「メルカリなどのフリマアプリは税金がかかるけれど、会場で現金販売すれば税金はかからないのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、税金を考えるうえで重要なのは、
インターネットで売ったか、リアルなフリーマーケットで売ったかではありません。
重要なのは、その取引によってどのような所得が発生したかです。
自宅の不要な衣類を売ったのであれば、フリマアプリでもフリーマーケットでも生活用動産の売却という考え方になります。
逆に、利益を得る目的で商品を大量に仕入れて販売しているのであれば、実店舗のフリーマーケットで現金販売していても、税金について考える必要があります。
よくある質問
Q. フリーマーケットの売上が年間20万円を超えました。確定申告が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
自宅で使っていた衣服や家具など、生活に通常必要なものを処分しただけであれば、その売却所得は原則として非課税です。
また、営利目的の場合でも、20万円の判定で重要なのは基本的に売上ではなく所得(売上-必要経費)です。
Q. フリーマーケットで50万円売ったら税務署に申告する必要がありますか?
50万円という売上金額だけでは判断できません。
自宅の不用品を処分して50万円になったケースと、商品を30万円仕入れて50万円で販売したケースでは税務上の意味が異なります。
Q. 赤字でも確定申告が必要ですか?
所得区分や他の所得の状況などによって異なります。
特に事業として継続的に販売している場合には、申告の有無とは別に帳簿や取引記録を適切に保存しておくことが重要です。
Q. 家にあったブランドバッグを売った場合は?
日常生活で使用していたバッグの売却であれば、一般的には生活用動産として考えられます。
ただし、宝石・貴金属・書画・骨董など一定の高額品については別のルールがあります。高額な商品を販売する場合は、個別に確認すると安心です。
Q. 売った商品の購入価格が分からない場合は?
不用品として非課税になる生活用動産であれば、通常は所得税の計算自体が問題になりません。
一方、高額品の譲渡や営利目的の販売など課税対象となる場合は、取得費の確認が必要になることがあります。
昔購入した高額商品などで購入価格が分からない場合は、自己判断せず税務署や税理士へ相談するとよいでしょう。
フリーマーケットの売上と確定申告を簡単にチェック
迷ったときは、次の順番で考えてみましょう。
① 自宅で使用していた不用品ですか?
→ YESなら、通常の家具・衣服・日用品などは原則非課税。
② 最初から売る目的で商品を仕入れましたか?
→ YESなら、雑所得や事業所得になる可能性があります。
③ 売上から仕入れや必要経費を引いた「所得」はいくらですか?
→ 売上金額だけで判断しません。
④ 会社員の場合、給与以外の所得合計が20万円を超えていますか?
→ 超えていれば確定申告が必要となる可能性があります。
⑤ 20万円以下だから申告しない場合、住民税は確認しましたか?
→ 所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。
まとめ|普通の不用品販売なら確定申告を心配しすぎなくても大丈夫
フリーマーケットで商品がたくさん売れると、
「こんなに売れて大丈夫かな?」
「税金を払わないといけないのかな?」
と不安になることもあるでしょう。
しかし、家庭で使用していた洋服、家具、おもちゃ、日用品などを整理するために販売する一般的なフリーマーケットであれば、生活に通常必要な動産の売却として、所得税は原則非課税です。
一方で、
商品を安く仕入れて高く売るなど、利益を目的として継続的にフリーマーケット販売をしている場合は話が変わります。
その場合は、
売上 − 仕入れ・必要経費 = 所得
を計算し、確定申告が必要かどうか確認しましょう。
特に覚えておきたいのは、
「年間20万円」という数字は、単純な売上20万円を意味するわけではない
ということです。
そして所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要となるケースがあります。
フリーマーケットは、家の中を整理しながら誰かに品物を再利用してもらえる楽しいイベントです。普通に不用品を販売するだけなら税金について必要以上に心配することはありません。
ただし、「趣味のフリーマーケット」から「仕入れて販売する副業」へ変わってきたら、そのタイミングで売上や経費の記録を始めておくのがおすすめです。

